iOS10での「追跡型広告を制限(Limit Ad Tracking)」について

F.O.Xでカスタマーサポートを担当してる石田麻美(イシタアサミ)です。

今回はiOS端末でプライバシー設定内の、「追跡型広告を制限(Limit Ad Tracking)」の機能が、iOS10にて更に強化されるとAppleから発表された点についてお話させていただきます。


「追跡型広告を制限(Limit Ad Tracking)」とは

iOS端末での、設定>プライバシー>広告内にある「追跡型広告を制限(Limit Ad Tracking)」の設定を指します。こちらはユーザーが任意でON/OFFの切り替えが可能な項目となります。

iOS9までは、この項目を有効にした状態でも、端末からIDFA(Identification For Advertisers)が取得可能で、ADTE(ADTrackingEnable)のON/OFFでIDFAのトラッキングへの利用を判断していました。

Apple側よりiOS10からは「追跡型広告を制限(Limit Ad Tracking)」の機能の強化が発表され、こちらの設定が有効な場合には「00000000-0000-0000-0000-000000000000」というIDが送られる為、端末のIDFAが取得出来ないという仕様に変更になります。


図1:iOS端末での「追跡型広告を制限」設定画面

広告効果計測への影響について

iOS10リリース後、計測ツールに関係なくIDFAを利用して広告効果測定を行っているメディアにて、CVRに影響が出る可能性があります。

現時点で「追跡型広告を制限」をONにしている端末は全体の10〜15%となります。


iOSでのOS普及スピード

現在のiOS9の普及率は約90%になります。
iOS9リリース1週間で約30%、1か月弱で50%に到達するスピードで普及していた為、
iOS10でも同様のスピードで普及していくことが予想されます。


図2:iOS端末のOS普及スピード


おわりに

「追跡型広告を制限(Limit Ad Tracking)」についてまとめると以下のようになります。

  • iOS10より機能が強化され、設定が有効な端末からIDFAの取得が行えなくなる
  • 設定を有効にしている端末は全体の10-15%程
  • (計測ツールに関係なく)IDFAを利用して広告効果測定を行っているメディアにて、一部インストール成果を計測する事が出来ない部分が発生する


※上記の内容については、iOS10のGM版が発表になるタイミングで変更となる可能性があります。